複雑な遺族年金について分かりやすくまとめてみました

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遺族年金

夫が亡くなり、無事葬儀も終了し、どことなく落ち着きを取り戻しつつある中、後の生活のことを考え、遺族年金について色々と調べられているのではないでしょうか。しかし、どのサイトも詳しく説明はされているが、よく分かりませんよね。

そこで、この記事では専門家でない私が、ネット情報や書籍などを調査して遺族年金について分かりやすくまとめてみました。ぜひ参考にしてみてください。

1.遺族年金の種類は大きく分けて3つある

この項目では、多くの人が受取ることができるであろう代表的な3つの遺族年金について、その概要をお伝えします。

1-1.遺族基礎年金=自営業者が亡くなった場合

遺族年金:自営業

国民年金の加入者が死亡した時、または以前国民年金の加入者であって日本国内に住所があり、かつ60歳~65歳未満で死亡した時、その加入者によって生活基盤を維持されていた「18歳未満の年度末までの子(※障害のある子は20歳未満)がいる配偶者」またはその子に支給されるのが遺族基礎年金です。

つまり、子育て世代の子がいなければ、支給されないのが遺族基礎年金です。言い換えれば、「遺族年金=子育て年金」とも言えます。

■遺族基礎年金の支給条件

死亡した月の前々月までの国民年金の加入期間の2/3以上、保険料が納付または免除されていること、さらに死亡した月の前々月までの1年間に保険料の未納がないことが条件です。

1-2.遺族厚生年金=会社員が亡くなった場合

遺族年金:会社員

会社員などの厚生年金加入者が死亡した時、または厚生年金の加入中に初診日のある傷病で初診日から5年以内に死亡した時、その加入者によって生活基盤を維持されていた遺族に対して支給されるが遺族厚生年金です。遺族厚生年金は、上記の遺族基礎年金の金額に加算されて支給されます。またその遺族の範囲も、遺族基礎年金より広く「18歳未満の子がいない配偶者」と「その他の人に支給」もプラスされて支給されます。

つまり、子がいなくても配偶者に支給されるのが遺族厚生年金です。言い換えれば、「遺族厚生年金=夫婦年金」とも言えます。

■遺族厚生年金の支給条件

遺族基礎年金と同じく、死亡した月の前々月までの国民年金の加入期間の2/3以上、保険料が納付または免除されていること、さらに死亡した月の前々月までの1年間に保険料の未納がないことが条件です。

1-3.遺族共済年金=公務員が亡くなった場合

遺族年金:公務員

遺族共済年金は、上記の遺族厚生年金と支給金額が異なるだけですので、割愛させていただきます。支給条件等は、上記 遺族厚生年金の支給条件を参考にしてください。

【遺族年金の種類一覧表】

死亡者 対象の人 支給種類
自営業 18歳未満の子のある妻 遺族基礎年金
子の無い妻 死亡一時金 ・ 寡婦年金
会社員 18歳未満の子のある妻 遺族基礎年金・遺族厚生年金
子の無い妻(40歳未満) 遺族厚生年金
子の無い妻(40歳〜65歳) 遺族厚生年金・中高年齢寡婦加算
公務員 18歳未満の子のある妻 遺族基礎年金・遺族共済年金
子の無い妻(40歳未満) 遺族共済年金
子の無い妻(40歳〜65歳) 遺族共済年金・中高年齢寡婦

参考URL:http://yuigon.jp/izokunenkinjyukyu/

2.受取れる遺族年金の金額目安

ここでは、ほとんどの人に当てはまる自営業と会社員、公務員等の受取れる遺族年金の金額目安を表にしてお伝えします。

2-1.遺族基礎年金の金額(自営業等)

遺族基礎年金の金額目安

2-2.遺族厚生年金の金額(会社員等)

遺族厚生年金の金額目安

2-3.遺族共済年金の金額(公務員等)

遺族共済年金の金額目安

上記金額はあくまでも目安です。遺族年金の金額は、加入期間や給与額等に大きく異なります。自分が受取れる正確な遺族年金の金額は、必要書類を揃えて直接 日本年金機構または専門家に相談の上、確認してください。

日本年金機構相談窓口:http://www.nenkin.go.jp/n/www/section/index.html

【遺族年金に関する専門家】

名称 電話番号 所在地
全国遺族年金相談センター 0120-994-915 大分県大分市東津留2-17-16
池ビル1F
日本司法支援センター 法テラス 0570-078374 東京都中野区本町1-32-2
ハーモニータワー8F
大阪相続相談所 0120-365-366 大阪市中央区高麗橋4丁目5番2号
高麗橋ウエストビル2階

3.遺族年金には他に2つの遺族給付制度がある

保険料を払ったのに全く年金を支給されないような場合に、第1号被保険者限定の救済策として「寡婦年金」と「死亡一時金」の2つの制度があります。しかし、両方を受取ることができないので、どちらか1つを選ばなければなりません。

第1号被保険者とは、主に自営業者などの国民年金のみに加入されている被保険者のことです。

では、比較検討するために、両制度の概要をお伝えします。

3-1.寡婦(かふ)年金

主に自営業者として保険料を納めた期間(免除期間を含む)が25年以上ある夫が亡くなった時に、10年以上継続して婚姻関係にあり、亡くなった夫によって生計が維持されていた妻に対して60歳~65歳になるまでの間に支給されるのが寡婦年金です。

■寡婦年金の金額

60歳~65歳の誕生日までの5年間で、生きていれば夫が受け取れた予定の老齢基礎年金額の3/4になります。もしも、キチンと国民年金保険料を30年間納付していたと仮定すると、約45万円程度になります。

3-2.死亡一時金

死亡一時金とは、25年以上、保険料を納めたにも関わらず全く年金を支給されないような場合、第1号被保険者が死亡した際に、文字通り、1回のみ妻に支給されるものです。

■死亡一時金の金額

保険料納付済期間の長短により、12万円~32万円です。

3-3.どちらを選ぶべきかの答え

金額だけを見ると、死亡一時金は最大で32万円で、寡婦年金は30年間の納付で約45万円なので、寡婦年金を選ぶべきですが、1つだけ注意点があります。

それは、寡婦年金を受取るには、受取る側の妻が老齢基礎年金を繰上げ受給していないことが必要だということです。

死亡一時金は、老齢基礎年金を繰上げの有無に関わらず、受取ることができます。そのため、どうしても自分の老齢基礎年金を繰上げで受給しようとする場合や寡婦年金の金額と死亡一時金の金額の差よりも繰上げた老齢基礎年金の方が、総額が多いと見込める場合は、あえて死亡一時金を受取るという方法もあります。

4.遺族年金金額のモデルケース

ここでは、自営業者の夫死亡の場合と会社員の夫死亡の場合で、それぞれの遺族(妻と子二人)が受取れる遺族年金金額のモデルケースをお伝えします。

4-1.夫が自営業者の場合

4-2.夫が会社員の場合

5.労災保険の遺族補償年金も受取れる可能性がある

ほとんどの人が見落としがちなのですが、国民年金と厚生年金以外にも、多くの人が受取れる可能性がある公的年金があります。それは労働者災害補償保険(労災)の遺族補償年金です。

5-1.労災保険の遺族補償年金

人が亡くなる原因は、老衰や病気、ドライブ中の交通事故だけではありませんよね。例えば、仕事中の交通事故や不慮の事故など仕事が原因で死に至ることもあります。

その場合は、国民年金と厚生年金の遺族年金にプラスして労災保険の遺族補償年金、遺族特別支給金、遺族特別年金が支給されることがあります。

労災の遺族補償年金

もっと詳しく労災保険の遺族補償年金について知りたい人は http://www.rousai-ric.or.jp/tabid/123/Default.aspx でご確認ください。

5-2.遺族補償年金等の支給条件

労働者の死亡の当時その方の収入によって生計を維持していた配偶者、子、父母、孫、祖父母、兄弟姉妹です。ただし、妻以外の遺族にあっては、一定の高齢又は年少であるか、あるいは一定の障害の状態にあることが必要です。

さらに詳細な支給条件等を知りたい人は http://www.rousai-ric.or.jp/tabid/119/Default.aspx をご覧ください。

6.受取れる遺族補償年金と一時金の金額(労災)

ここでは、労災の遺族補償年金と一時金の具体的にいくら受取ることができるのかをお伝えします。だたし、内容が定期的に変更されているようなので、正確な金額は公益財団法人 労災保険情報センター 03-5684-5516にお問合せください。

6-1.遺族補償年金

遺族補償年金の受給額は、遺族の数(受給権者と生計を同じくする受給権者の数)によって、以下のようになります。

遺族が1人 給付基礎日額の153日分(一定の妻のみ175日分の場合有り)
遺族が2人 給付基礎日額の201日分
遺族が3人 給付基礎日額の223日分
遺族が4人以上 給付基礎日額の245日分

■給付基礎日額とは

簡単に言うと給料の1日分です。月給30万円の方の場合、給付基礎日額は1万円ということになります。

6-2.一時金

仮に、妻と子ども2人が、死亡した夫に生計を維持されていなかった場合、年金対象でない遺族ということになります。年金対象となる遺族がいない場合には、一時金が支給されます。

その金額は、給付基礎日額×1000日分です。上記の例だと「1万円×1000日分=1000万円」となります。

7.まとめ

一般の人にも分かりやすい様に、遺族年金についてお伝えしたつもりですが、分かりやすかったでしょうか。もし、そうでなければ、お手数ですが、やはり専門家に直接問い合わせされるようお願いいたします。

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