原状回復義務を4つのポイントで解説|主な補修箇所と費用相場

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アイキャッチ原状回復

賃貸住宅を引越しするときに、退去者には原状回復の義務があるのは知っていたが、具体的にその内容は?と聞かれるとよくわからない人がほとんどなのではないでしょうか。

そんな人のために、今日の記事では、原状回復の義務内容と国土交通省が示す原状回復におけるガイドライン、原状回復に含まれる主な補修内容とその費用目安などについてお伝えしていますので、ぜひ参考にしてください。

1.不動産賃貸における原状回復の義務とは

住宅などの不動産を借りている人は賃貸借契約終了時に、貸している人(大家など)に対して明け渡しの義務を負っており、借りている人はただ明け渡せば良いのではなく、明け渡しの際に借りはじめた時の状態に戻す義務を同時に負っています。この義務が不動産における原状回復です。

ただし、その義務範囲は「賃借人の住居・使用により発生した建物価値の減少のうち、借りている人の故意、過失、善管注意義務違反、その他通常の使用を超えるような使用による損耗・毀損」に限られます。

上記文章だとちょっとわかりづらいですよね。そこで国土交通省からより具体的な内容が記されたガイドラインが発表されています。

2.国土交通省のガイドライン内で重要な4つのポイント

この項目で、まずは国土交通省の「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」を記載しようと思ったのですが、A4サイズで173枚にもなりますのでリンクさせていただきました。

ガイドライン → http://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/house/torikumi/honbun2.pdf

あまりにもボリュームがあるので、ガイドラインの重要と思われる部分を分かりやすい言葉で4つのポイントにまとめてみました。

2-1.ポイント①:原状回復は借りた当時の状態に戻すことではない

原状回復を「居住や使用により減少した建物の価値の範囲内で、借りた人の故意・過失、不注意、その他「通常の使用」を超えるような使用による損耗・毀損を復旧すること」に定め、その修繕費用は借りた人の負担としました。

また、いわゆる経年変化や「通常の使用」による損耗等の修繕費用は、賃料に含まれるもので貸した人の負担としました。つまり決して「原状回復は借りた当時の状態に戻すことではない」と明確に記されています。

2-2.ポイント②:「通常の使用」の範囲基準を指針した

「通常の使用」の範囲を確定することは困難であるから、国土交通省ガイドラインでは具体的な事例で次の4区分して、賃借人と賃借人の負担の基準を指針しました。

【A区分】:借りた人が賃借物の用途に従った住まい方、使い方をしていても発生するものと考えられるもの。=通常の使用による結果

【B区分】:賃借人の住まい方、使い方によって発生したり、しなかったりすると考えられるもの。=明らかに通常の使用とは言えない結果

【C区分】:原因は「通常の使用」によるものであるが、その後の借りた人の管理が悪く、損耗等が発生や拡大したと考えられるもの。=結露などの放置によるカビの発生等

【G区分】:建物価値を増大させる要素が含まれているもの。=家主が付属設備などをグレードアップさせたような場合

上記区分のうち、B区分とC区分は「通常の使用」ではなく借りた人に原状回復義務があります。逆を言えばA区分とG区分は「通常の使用」なので借りた人に原状回復義務はありません。

2-3.ポイント③:「通常の使用」でない部分も経年劣化を考慮する

上記B区分とC区分の場合であっても、経年変化が含まれており借りた人はその分を賃料として支払っていますので、借りた人がその修繕費用の全てを負担することにはなりません。

借りた人の負担については、建物や設備の経過年数を考慮し、年数が多いほど負担割合を減少させることになります。

経過年数による具体的な負担割合グラフ(例:クロス)

【注目】このグラフから読み取れることは、たとえ借りた人に負担がある「通常の使用」でない損耗等でも6年経過していればその負担金は1円で済むということです。

2-4.ポイント④:基本は「原状回復義務の範囲=最小限の施工範囲」

原状回復は毀損部分の復旧なので、可能な限り毀損部分に限定し、その補修工事は出来るだけ最低限度の施工範囲を基本としています。しかし毀損部分とその他部分とに色や模様などのギャップがある場合には、ケースバイケースで判断するよう指針されています。

3.原状回復に含まれる主な6つの補修箇所

この項目では、主に原状回復に含まれる補修箇所6つを挙げていますが、「通常の使用」で毀損していることが認められれば補修をする原状回復義務はありません。

3-1.クロス

借りた人に冷蔵庫焼けや日焼け、手垢などの原状回復義務はありません。あくまでも「通常の使用」以外で毀損部分を補修することになります。

3-2.畳表

借りた人に畳焼け、歩行によるキズなどの原状回復義務はありません。あくまでも「通常の使用」以外で毀損部分を補修することになります。無論、タバコの焦げ目は「通常の使用」による毀損ではありませんので、借りた人に原状回復義務があります。

3-3.フローリング

物を落とした際についた傷などは借りた人に原状回復義務がありますが、歩行による凹みや傷みは「通常の使用」ですのでその義務はありません。

3-4.ふすま

ふすまの日焼けや手垢、引っ掻きキズは、「通常の使用」ですので、借りた人に原状回復義務はありません。しかし上記写真のような破れは、無論、原状回復に義務があります。

3-5.網戸

網戸は「通常の使用」で穴が開くことはありませんので、その補修は借りた人に義務があります。ただし経年劣化等で網がボロボロになって穴が開いている場合は、原状回復の義務はありません。

3-6.ドア錠

入居時にドア錠を交換していれば、元のドア錠に交換しなければなりません。また入居の際に、渡されたすべてのカギも返却するまでが原状回復です。もちろんドア錠を交換していなければ写真のような交換工事は必要でありません。

4.原状回復に掛かる費用相場

原状回復に掛かる修復箇所が少なければ約2万円からで、全体的な原状回復工事が必要な場合は約60万円までの場合が多いようです。ただし、あくまでも目安ですので個々の部屋によっては、上記金額を大きく上回ることもあることはご了承ください。

それでは、それぞれの箇所別でその費用相場をお伝えします。

原状回復工事の箇所 費用相場
壁や天井の穴補修 20,000円~50,000円
畳表の張替え 30,000円~50,000円/6帖
クロス補修 900円~1,200円/㎡
フローリング補修 20,000円~40,000円
クッションフロア 40,000円~50,000円/6帖
シンクの修理 25,000円~40,000円
洗面器交換 30,000円~50,000円
ウォシュレットの取り外し 6,000円~10,000円
エアコン取り外し 5,000円~30,000円

5.東京ルールと国土交通省のガイドラインとの関係

ここでは、今1つ違いがはっきりとしていないと思われる「東京ルール」と「ガイドライン」との関係について、わかりやすくお伝えしています。

5-1.実は東京ルールとガイドラインの内容はほとんど同じ

ガイドラインとは、正式名称を「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」といい、国土交通省が賃貸物件の原状回復費用等についてその基本的な考え方をまとめた指針です。

一方、東京ルールとは、正式名称を「東京における住宅の賃貸借に係る紛争の防止に係る条例」といい、国土交通省のガイドラインをもとに同様の内容を都条例として定めたものです。

つまり基本的な内容はほとんど同じですが、次の3点が異なります。

5-2.異なる点①:東京ルールは都条例だから強制力がある

ガイドラインは単なる指針ですのでそれに強制力はありませんが、東京ルールは都条例という正式な法律ですので強制力があります。違反した宅地建物取引主任者に対して、報告義務や是正の指導、勧告、公表をすることができるので、入居者に比べて力のある不動産会社の横暴を抑えることができます。

5-3.異なる点②:東京ルールは都内の賃貸住宅だけに適用されます

ガイドラインは住宅だけでなく賃貸物件全般に対しての指針ですが、東京ルールは東京都内の賃貸住宅だけを対象にした都条例です。つまり東京都内でも賃貸の事務所や店舗、工場などは適用外です。

5-4.異なる点③:東京ルールが適用されるには2つの条件がある

条件①:宅地建物取引主任が仲介等を行なっていること
条件②:平成16101日以降に重要説明を行う新規の賃貸借契約であること

ガイドラインでは、ほぼ無条件で賃貸物件全般に対して指針していますが、東京ルールでは上記2つの条件を満たさないと適用されません。つまり平成16101日以前の賃貸契約や貸主との直接賃貸契約は適用外になります。

最後に当然ですが、東京都の賃貸住宅の場合は、単なる指針であるガイドラインよりも都条例である東京ルールが優先されることは言うまでもありません。

6.敷金返還金額に納得できなければ専門会社に相談すべき

引越し後に原状回復費用の見積り金額をみて、想像を超えた金額で不動産会社や大家に連絡をしたが、ほとんど金額が変わらず納得できない場合は下記の専門会社に相談してみましょう。

サイト名 URL
敷金返還請求ねっと http://www.shikikin-hw.net/
NEXT行政書士事務所 http://next-gyouseisyosi.com/
敷金返してnet http://www.shikikin-henkan.info/

敷金を前渡ししているため入居者は泣き寝入りされる人が多いようですが、専門会社に相談すれば原状回復費用を大幅に減額できるようサポートしてもらえると思います。ただし、引越し手続き前から相談されたほうがよりメリットを受けられるようですね。

6-1.ただし特殊な事情の部屋は特殊清掃業者に相談したほうがいい

たとえば、孤独死や自殺等があった特殊な部屋の場合は、上記専門会社ではなく特殊清掃会社に相談されるほうがいいでしょう。なぜならば特殊清掃会社は、遺体があった部屋専門の消臭清掃会社だからです。

まずは、原状回復費用の負担で不利になる遺体があった痕跡を少しでも無くすことが、後々負担額を減額するのに大いに役立ちます。部屋を通常に近い状態にしてから敷金返還の専門会社に相談するのがポイントです。

その特殊清掃会社については「特殊清掃の業者の正しい選び方と絶対に騙されない為の全知識」で詳しくお伝えしていますので、特殊な部屋の引越しでお困りの人には必見な内容です。

7.まとめ

今日の記事では、原状回復の義務内容とそのガイドライン、原状回復に含まれる補修内容とその費用目安、東京ルール、原状回復サポートを行なっている専門会社などについてお伝えしましたが、お役に立てたでしょうか。原状回復費用に納得できなければ、この記事を参考にしてまずは行動してみましょう。

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