葬儀に必要不可欠である納棺について、一体どのようなことをするのだろうと思われて、色々と情報収集されているのではありませんか。
今日は、納棺の基本知識として、その具体的な手順と3つの予備知識等をお伝えしていますので、ぜひ参考にしてください。
納棺とは
納棺とは、遺体を棺の納めることをいいますが、単に無造作に納めるだけでなく、納棺の際は遺体の髭剃りや化粧をするなど身体を整え身支度をしてから、旅立ちの衣装を着せて棺に納めます。
この行為は、死者の尊厳を守ると同時に故人の死を受け止めることにもなります。そのため葬儀スタッフや納棺師にすべて任せるのではなく、可能な限り遺族も納棺に参加されるほうがいいかもしれません。
一般的な納棺の手順
まずは実際に納棺する際の一般的な手順をお伝えします。地域や宗派、遺族の意向等により一部異なることがあることはご了解ください。
納棺のタイミング
納棺を行なうのに決められたタイミングはありませんが、一般的には通夜の前日または親族一同が集まる通夜の直前が多いようです。
遺体を整える
遺体を清め拭き、髪にクシを入れ、死化粧などを施します。男性であれば髭を剃ります。これらは別名で「清拭」「エンゼルケア」等と呼ばれることもあります。
遺体に衣装を着付ける
宗旨・宗派に合わせた衣装の着付けをします。
仏式(浄土真宗を除く)→経帷子(きょうかたびら)
経帷子とは、白一色の和服のことです。
神式→白の小袖
近年では、宗旨・宗派に関係なく、故人が希望していた服や遺族にとって想い出深い衣装を着付けることもあります。
旅立ちの身支度をする
遺体の首に六文銭を入れた頭陀袋(ずだぶくろ)を掛けて、手甲、脚絆(きゃはん)を着け、足袋を履かせます。
額に付ける白の三角巾は、この世に恨み辛みを残している印象を持たれるので、最近では付けることが少なくなっています。
棺に納める
旅立ちの身支度を終えた遺体を遺族、親戚が支えながら仰向けにして棺の中に納めます。その後ドライアイスを入れてその他旅支度品として杖、網傘、草鞋(わらじ)も納めます。
副葬品を入れる
故人が愛用していた品を副葬品として納めます。遺族、親族としては、多くの副葬品を納めたいというお気持ちは分かります。
しかしあまり多いと火葬に支障が出るおそれもありますので、最小限に留めたほうがいいでしょう。
棺に蓋をする
最後に棺に蓋をし、遺族、親族、葬儀スタッフ等全員で合掌します。
納棺の3つの予備知識
ここでは、納棺の際に気を付ける予備知識を3つお伝えしています。葬儀スタッフや納棺師から助言をいただけるので必ず覚えておく必要はありませんが、知っておいて損はありません。
死装束の着付け方は逆
死装束として経帷子を着せ付ける際には、必ず左前で着付けます。つまり一般的な右前とは逆の着せ方になります。
その理由は諸説ありますが、生者と区別するために逆にするという説が最も一般的といわれています。
一緒に納める副葬品の種類に制限がある
以下のものは、副葬品として棺に納めることができない種類と思われます。
- 爆発のおそれがあるもの
- 燃えないもの・燃えにくいもの
- 遺骨を傷つけるおそれがあるもの
- 遺骨を着色するおそれがあるもの
具体的な副葬品に向かない品物
- ペースメーカー
- ライター
- メガネ
- 酒瓶
- ガラス製品
- 金属製釣具
- ゴルフクラブ
- 金属製仏具
- ゴルフボール
- 果物
- 書籍
- 腕時計
- 食器
- 貴金属
- 宝石
- その他
遺族と親族だけで行なう納棺もある
ほとんどの地域では、葬儀スタッフや納棺師がメインになって納棺が行なわれますが、一部地域では遺族と親族の手によってのみで行なわれる慣わしがあるようです。
自分の地域がそれに該当するかどうかは、菩提寺の僧侶や親族などに尋ねてみれば分かるでしょう。
納棺師の職に就く方法
納棺師という言葉を聞いたことはありますよね。2008年の映画「おくりびと」でその名は知れ渡りました。その影響で納棺師の職に就きたいという人が激増しているようです。
そこで、具体的にどうすれば納棺師として仕事ができるのかを色々と調べてみました。非常に分かりやすい他社サイトを見つけましたのでご紹介いたします。
納棺師には資格が必要なのか?収入はいくら?等の疑問にも触れられています。
納棺師になるには?
→http://careergarden.jp/
納棺師の収入は?
→http://www.nenshuu.net/
一般的な葬儀の流れについて
この記事でお伝えしたこと以外に一般的な葬儀の流れについても知っておくとより理解が深まります。詳しくは「一般的な葬儀終了までの流れとその後に行なわれる5つのこと」でお伝えしていますので、ぜひ参考にしてみてください。
まとめ
今日は、納棺の基本知識として、その具体的な手順と3つの予備知識、納棺師の職に就く方法をお伝えしましたが、いかがでしたでしょうか。少しでもあなたの疑問が払拭されたのでしたら幸いです。
いくら身内の不幸とはいえ、やはりその葬儀費用が気になりますよね。およその金額を知っておけば自ずと安心できるものです。
そこで「葬儀タイプ別の費用相場とできるだけ安くできる方法」では、一般的な葬儀費用の相場などをお伝えしていますので、興味がおありの人はご覧ください。
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そんな事態を避けるために「葬儀会社を選ぶ際に絶対知っておくべき5つのポイント」をぜひ参考にしてください。